「コーヒーの素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたい」という創業者、上島忠雄氏の想いを実現するために誕生したコーヒー専門の博物館、UCCコーヒー博物館さんを取材させて頂きました。
UCCコーヒー博物館は、ポートライナー「南公園駅」下車すぐ、駅から徒歩1分のところにあります。特徴的な外観はモスクをイメージされているそう。
イスラム教においてコーヒーは秘薬として飲まれていたそうで、世界に普及するきっかけになったという史実にちなんで外観をデザインされたそうです。
館内に入ってまず感じるのはコーヒーの良い香り。テイスティングコーナーや喫茶室もあるので館内には香ばしいコーヒーの香りが漂っています。
吹き抜けのエントランスホールにあるエスカレーターを上がったところから展示がスタート。こちらの照明はコーヒーの粉を漉き込んだ和紙で作られているそうで、温かな光が印象的です。博物館は五感で楽しめるよう様々な工夫が凝らされており、起源から始まって栽培、鑑定、焙煎、抽出、文化と6つに分けられた展示室はどれも見応え抜群!カップから農園に至るコーヒーの奥深い世界を楽しめます。中には午前中に来られて夕方までご覧になる方もいらっしゃるのだとか。
展示には音声ガイドもついており、英語、中国語、韓国語でも楽しむことができます。館内はWi-Fiが繋がりますので、旅行者の方でも気軽に利用することができます。
展示を見始めてまず驚いたのは、館内の観葉植物。なんと全てコーヒーの木だそうです!近くで見ると、コーヒーチェリーが実をつけていました。コーヒーチェリーの実を見られるのは珍しいそうですよ。来館の際はぜひ探してみて下さい。
展示は五感で楽しめる仕掛けがたくさんあり、農園で働く人たちの会話を聞きながらブラジルのコーヒー農園を歩いている気分になれたり、コーヒー生豆に触ることが出来たり、コーヒー豆を運ぶ麻袋の重さを体感できたりと大人から子どもまで楽しめる内容です。
展示の途中には上島珈琲の歴史を学べるコーナーもあります。
UCCといえばこちらの缶コーヒーのイメージがある方も多いのではないでしょうか。実はこちら、世界初の缶コーヒー。茶、白、赤色のトリコロールはそれぞれ焙煎したコーヒー豆、コーヒーの花、コーヒーチェリーを表しているそう。白色はミルクと思っていたのですがコーヒーの花が白いとは初めて知りました。
そして記者が一番興味を惹かれたのは、「文化」をテーマにした最後の展示室。
色鮮やかなコーヒーカップとソーサーがずらりと並びます。
こちらに並んでいるソーサー、底に深みがあるのが特徴的ですよね。西洋の人々は当時コーヒーを冷ますために、カップからソーサーにコーヒーを移して飲んでいたという面白いお話を館長様からお聞きしました。博物館ではスタッフの方が館内を案内してくれるイベントや、館長様のお話を聞くことができるイベントなども開催されているそう。ホームページに情報が載っているのでぜひチェックしてみてください。
さらに、入館するとテイスティングチケットもついてくるので、コーヒーのテイスティングも楽しむことができます!取材日はブレンドとストレートの飲み比べを行っていました。
テイスティングの方法もスタッフの方が丁寧に教えてくれるので、コーヒーに詳しくない方でも楽しめます。月替りでテーマが変わるそうなので、別のテーマの時も訪れたくなりました。ちなみに12月(2019年)は「中炒り」と「深炒り」の飲み比べです。テイスティングは1階のテイスティングコーナーで毎日4回、11:00~11:30、13:00~13:30、14:30~15:00、16:00~16:30の時間帯に実施されています。
館内を全て見終わった後は、1階でコーヒー博士認定クイズを受けてみましょう。クイズに全問正解すると、コーヒー大博士に認定されて1年間入館無料になります。
クイズは全て館内にある情報から出題されているのですが、かなり難易度が高いです。隅々までチェックしてから臨みましょう!
そして博物館を楽しんだ後は、1階にある喫茶室「コーヒーロード」でこだわりのコーヒーを楽しむのはいかがでしょうか。
選りすぐりのスペシャルティコーヒーを飲めるのはもちろん、コーヒー豆の販売も行っているのでお土産を買うのにもぴったりです。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚、五感全てを存分に使って楽しめる日本で唯一のコーヒー博物館、ぜひ訪れてみて下さい。