阪急電鉄神戸線の六甲駅で降りて南の3・4番出口から出ると、都会の駅前とは思えないような深々とした森が目に入ります。そして樹齢数百年はありそうな木々が、神社を取り囲むように広がっています。
本日は長い歴史を持つ「六甲八幡神社(ろっこうやはたじんじゃ)」の魅力をご紹介します。
阪急六甲駅から南に少し歩いて路地に入ると石鳥居の参道があります。鳥居を背景に空が見えないほど高い樹木がそびえ立ち、森を形成しています。この森は1333年、「太平記」にも登場するほど古い歴史を持っています。木々の種類もとても豊かで、春には桜のピンク色が、秋には紅葉の赤色と銀杏の黄色が色鮮やかに季節を感じさせてくれます。
六甲八幡神社は「摂津国八幡社」、「摂津八幡」とも呼ばれています。この名称は六甲八幡神社が、一国一社の国府八幡宮だったことを表しています。神社の歴史はとても古く、明確に記されている文献等はありませんが、一説には1026年に創建されたともいわれています。戦国時代には荒廃してしまいましたが、1500年代に修築され、1795年に現在の形となりました。神社としては約1000年、文化財としては220年を超える歴史があるそうです。祭神は八幡大神、天照大神、春日大神です。
境内の建物には社紋が描かれていました。左三つ巴と橘の模様をしています。三つ巴(みつどもえ)は全国の八幡神社で使われている紋様で、橘の紋様は六甲八幡神社を象徴するものです。ここで一つ興味深いのは、広い境内に橘の木は1本もないとのことなのです。
奥に進んで本殿を正面にして左側から裏手へと進んで行くと、先にある稲荷大明神まで赤い鳥居が並んでいます。赤い鳥居の上に樹木が生い茂っており、とても神秘的な空間です。
こちらが、「正一位稲荷大明神」です。八幡大神とは別に、外部の神社から祭神を分霊して勧請しており、六甲八幡神社の末社に当たります。よく見てみると狐の顔は神殿を厳重に守っているようで、少し怖い顔をしています。
私たちをじっと見ているような、生々しい鱗がある竜の像、こちらは本殿の右隣にある御手洗所にあります。境内のフォトジェニックスポットとしてよく知られています。竜の力みなぎる鱗と爪、石に生えた苔が厳かな雰囲気を醸し出しています。
御手洗所を通り過ぎると摂社と授与所が現れます。六甲八幡神社は、可愛いキャラクターデザインのお守りや、ちょっと変わった恋みくじも有名だそうです。厄除けのご利益もあるので、お参りのついでに可愛いお守りを購入してみてはいかがでしょうか。
六甲八幡神社(ろっこうやはたじんじゃ)
〒657-0051 神戸市灘区八幡町3-6-5
阪急六甲駅南出口すぐ
TEL 078-851-7602