第６話 『みかん畑でつかまえて』

連続無差別殺傷事件によって、愛妻ミチ子を失った鳥山。ミチ子の意志を継ぎ、仕事も辞め、奇異な衣装を着て、みかんパフォーマンスを路上でやる毎日。マリアのパンクショップに現れた時、ミチ子と瓜二つの聡子と運命的に出会ってしまう。

ある日、いつものように路上パフォーマンスをやっている現場にギターを背負った聡子がたたずんでいる。ミチ子の残像を求めて、聡子と一緒に路上パフォーマンスをやろうと説得する鳥山。一途な鳥山の願いを叶えてやろうと聡子は、ミチ子になってやることを決意する。蘭子のバーで、バンドで世界デビューを果たすのが夢だと吐露する聡子。鳥山のためにコンビを組んで本格的にパフォーマンスを演じ切ろうと奮起する聡子だったが、その心の内では、ほのかな恋心がが芽生え始める。

すべてを捨て出家を志す鳥山。意を決してロンドンで世界デビューを果たした聡子。遠く神戸とロンドンで最後の電話で愛を伝え合うふたり。聡子は鳥山のためにステージへと上がっていく。