日本全国、そして世界に誇れる神戸エリアのイチバンを紹介するこのインタビュー。今回は、神戸・元町にある「ステーキ&グリル 神戸メリケン・波止場」、トリップアドバイザーの神戸のレストランランキング1位に輝いたステーキハウスのオーナーシェフである、奥本園史さんにお話を伺いました。
編集長:
ご無沙汰しております。今日はよろしくお願いします。
奥本さん:
よろしくお願いします。
編集長:
最近はお店がすっかり繁盛なさっているそうで、なによりですね。私達もとても嬉しいです。
奥本さん:
ありがとうございます!正直なところ自分がイメージしていた時期とズレていたので、驚きと戸惑いがありました。
編集長:
ズレ、というのは?予想されていた時期よりもずっと早く結果が実ってきたということですか?
奥本さん:
そうなんです!飲食店オーナーを特集しているテレビなどを見て、いずれは自分のお店も店頭にお客様が並んでくれるような繁盛店になりたい、という理想は持っていました。でもそれが実現するというのは、まだずっと先のことだと思っていたんです。
編集長:
実際、トリップアドバイザーの神戸市のレストランランキングで、掲載されている約1万軒もの飲食店の中から見事1位に輝かれていますね!素晴らしいことですね!
奥本さん:
本当に嬉しいサプライズでした。ありがとうございます。
編集長:
私達がメリケン・波止場さんと初めて知り合ったのは1年半ほど前だと思います。そして今、繁盛店となられたことが、私たちにとっても大きな喜びです。本当に一緒に歩ませていただいてきたように感じています。
街場の飲食店が繁盛されて、海外の方や、もちろん日本の旅行者の方が喜んでくださって、「神戸に戻って来たらまた必ず立ち寄りたい」というお店になっていることがとても素晴らしいですし、メリケン・波止場さんは、Ichiban KOBEというメディアにとってはまさにモデル店のような存在です。
奥本さん:
お店が大きく変わってきたと感じ始めたのはIchiban KOBEさんに店頭看板を作っていただいてからです。
約1年半前、あの頃はいろんな媒体の営業さんがよく飛び込みで営業に来られていました。正直に言うと最初はIchiban KOBEさんも「あぁ、また同じような話か」くらいの気持ちでお話を聞いていたんです。
編集長:
そうでしたか。笑
奥本さん:
はい。でもIchiban KOBEさんのスタッフの方が、自社で飲食店を経営されているからこその具体的な販促事例・改善策を誠実かつ丁寧に提案してくださったことや、更に「うちには海外経験が長くインバウンド対策にも造詣が深いスタッフがいるので、きっと奥本さんの力になれるはずです!」と親身になってくれたのは心強かったですし、一度お願いしてみようという気持ちになりました。
依頼した時にはまさか自分の顔がデザインされた看板を制作するとは想像していませんでしたけどね。笑!
編集長:
日本だと、シェフが看板に自分の顔を出すというのは照れ臭いと感じるかもしれませんが、外国人のお客様は「このシェフが料理を作ってくれるんだ!」と信頼し、期待してくださるんですよね。外国ではお店に食べに行くということは、プロフェッショナルな方に料理を作っていただくという意識なので、この看板を見て入店してくださった方は、実際に店内におられる奥本さんのお顔を見て、改めて安心感を抱かれるんじゃないでしょうか。もう1つは何よりも奥本さんの唯一無二のお人柄だと思います。パワフルでもあり、愛着がわくような親しみやすさもあり、実際にお会いするとすごく惹きつけられるお客様は多いんじゃないでしょうか。何か特別に心掛けていることがあるんですか?
奥本さん:
人が好きな性格なんですよね。もともと長年ゴルフを教えていたという経験がありまして、その時から上達に悩んでいる方をどうにかして「助けてあげたい」、「上手にさせてあげたい」という気持ちで一人一人に向き合っていました。料理を提供するようになった今も、お腹を空かせてうちの店に来てくれて、鉄板の前に座ってくださったお客様にとにかく「感動してもらいたい」という一心でやっています。
編集長:
「人に満足感を与える」「その道を極める」という気持ちが強い奥本さんだからこそ、ゴルフの世界から料理の世界に転身されてからも、これだけのことを成し遂げられるんですね。
奥本さん:
どの世界にも通じることかもしれませんが、私は「数珠繋ぎ」だと思っているんです。私がお客様に感動するような料理を提供するにはお肉、野菜、そして醤油などの調味料一つとっても、全て提供してくださる生産者の方々の存在なしには成り立ちません。同じこだわりと気持ちを持って、私に素材を提供してくださる方々のところまでは出向いていきますし、いつも感謝しています。
編集長:
約1万軒ある神戸のレストランから1位になったトリップアドバイザーのランキングは、1年半ほど前にお会いした当初はまだ400位くらいだったと記憶しています。そこから1位になるまでの努力というのは並大抵のものではなかったと思います。次に考えていらっしゃる展開、夢などがありましたらお聞かせください。
奥本さん:
お店の規模を大きくしたい、ということは考えていません。ただ自分が生まれ育った神戸を良くしていきたいという気持ちはあります。でも一人の力では叶えられるものではなく、みんなで協力し合って同じ気持ちで続けていかないと変わっていかない、とも感じています。
まさに「忘己利他(もうこりた)」の気持ちなんです。自分よりも、まず相手の方の幸せや喜びが大切です。私はここまで来るのにいろんな方にお世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。同じような気持ちを持っている者同士、これからは恩返しのつもりでいろんな展開を考えていくのは面白いかもしれないですね。
編集長:
奥本さんにとって、私達Ichiban KOBEとはどんな存在かお伺いできますでしょうか。
奥本さん:
「自分の夢を叶えてもらった、大切なメディアであり、パートナー」だと感じています。お店にとってもお客様にとっても有益で、その上インパクトのある看板や多言語メニューを提案してくれて、もちろん媒体(雑誌・Web)でもPRしてくれています。
編集長:
ありがとうございます。私達もお店と一緒にたくさん勉強させていただいています。パートナーと言っていただけて嬉しいです。
では、今後Ichiban KOBEにさらに期待すること、一緒に取り組んでいきたいことなどはありますでしょうか。
奥本さん:
飲食、インバウンドに深く関わっているIchiban KOBEさんの考えや、神戸市さんとどのように連携していけるかなど、いろいろな意見をお互いに出し合って、一緒に神戸を盛り上げていければと思っています。
自分の店が繁盛する、それだけがゴールではないんです。ここで食事を楽しんでいただいた方に、もっともっといろんな楽しさ、面白さ、美味しさを知ってほしいと思っています。ハーバーランド、北野などの観光地はもちろん、おすすめのバーや居酒屋さんもお客様のリクエストに応じてご案内していますよ。
編集長:
奥本さんのそういった心配りがお客様の神戸の思い出をよりいいものにしていっているんだと実感しています。今後は長いお付き合いをしながら神戸全体を盛り上げていきたいと願っています。メリケン・波止場さんを始め、街場の皆様の声をしっかりと反映させられるように、じっくり考えて具体的な形にしていくのが、Ichiban KOBEの次のステップだと思っています。そこにはメリケン・波止場さんの力が不可欠ですので、ぜひ今後ともご協力宜しくお願いいたします。
奥本さん:
いえいえ、こちらこそ宜しくお願いします!
編集長:
私達Ichiban KOBEが特に思い入れを持って、そして楽しみながらメリケン・波止場さんとの関りを続けさせていただいているのは、「決して順風満帆なところから始まっていたわけではない」というところなんです。
奥本さん:
ほんと、当初はどん底でしたもんねぇ!笑
編集長:
いえいえ、どん底とは言いませんがご苦労なさっていた頃を覚えています。そしてそこから一緒に成長してきたという実感を持っていますし、なおかつ奥本さんがまた更に上の目標を掲げていらっしゃるのをそばで見ていて、とても楽しいです。私達も刺激を受けながら、今後も成長し合っていきたいと考えています。
最後になりますが、今日はあるご提案をしに参りました。私達が発行しているIchiban KOBEは次で節目となる第5号を発行することになるのですが、そこでIchiban KOBE編集部が決める『ベスト・レストラン』を順次発表していこうと考えています。その第一号をメリケン・波止場さんにさせていただきたいんです。
やはり街場の飲食店であり、奥本さんの「お客様を絶対に満足させたい!」という熱いこだわりを知っているからこそ、メリケン・波止場さんを第一号店に推薦させていただきました。
奥本さん:
ありがとうございます。光栄ですね。この仕事をしていて良かったです。
トリップアドバイザーの神戸レストランで1位をいただき、Ichiban KOBEさんの『ベスト・レストラン』の第一号を頂戴して、料理人冥利に尽きます。こうなったら次に目指すはミシュランガイドの星ですね!これからも一人でも多くのお客様に感動していけるように走り続けますよ。喜ばせたい人がまだまだたくさんいるんです!